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窯変 銀禾目天目碗 (銀兎毫紋盞) 建 窯 参 考 資 料 北 宋〜 南 宋 口径 11.8cm 器高 6.8cm |
曜変天目碗で有名な南宋の建盞(建窯の点茶用碗)の彩紋は、 焼成温度が極めて高い状態が続いた結果の鉄分による窯変紋である。 かの有名な「稲葉天目」も口沿が変形するほどに、 また見込みの黒釉にキ裂が生じるほど高温であったようだ。 この銀禾目文天目碗の銀禾目もやはり高温焼成から曜変した彩紋である。 鉄分の多い胎土を包んだ鉄釉(黒釉)が日本刀の刃先の白銀の輝きのような鉄色となって 筋状に流れ落ちたと考えられる。 銀油滴紋や曜変紋と同様にこの建盞は極めて稀な点茶碗である。 銀禾目文は、ねむの花にやさしい五月雨(さみだれ)かと疑う。 各国の美術館の蔵品に、この碗と同様の一品は少ない。 |