商品詳細  

   外、闘彩松竹梅紋、内、青花梵字紋碗      非 売 品               ts. 010

  宮 廷 御 製

  大 明 成 化 年 御 製 (款)

  憲 宗 皇 帝 登 基 隆 慶 (由 緒)

  上 品 佳 器

     口径   12.0cm

     器高    4.8cm


       倍率 25,7 の 写真           ↑色の間違えである。 
  倍率 200 の マイクロスコープ で 撮影 の 写真  
 

   極めて稀な祝賀を記念するために作陶された薄胎の小碗である。

   この碗は成化年の皇帝である憲宗帝(1464〜1487年)の即位のために

   宮廷が成化官窯に発注した仰焼(ふせやき)の逸品である。


   明初の永楽・宣徳年代を過ぎて、正統・景泰・天順年代の動乱の三代に於ける

   数々の困難の後ちに迎えた成化年代には国力と窯業が再生している。

   また成化年代は明、中期の始まりであり、窯業の再生・発展の時期であるが

   その磁器の作風は明初とは明らかに異なる。

   永楽年代にみられる「脱胎磁器」のような透光性の強い極薄手の作品は

   成化磁器にも影響している。

   世に伝わる「大明成化年製」の名磁の中には「成化闘彩」もあるが、

   それは現代、ごく少量の遺作が伝世している。


   この碗の見込みには建文年(1398〜1402年)の頃に用いられた梵字(釉裏紅)が

   呉須(青料)で慶賀を飾り、また碗の外面には闘彩で松竹梅が描かれている。

   (碗に描かれた松竹梅のデザインは元のモチーフの影響を受けている。)


   この碗の特に注目すべきは輪高台の中に記入された23文字の楷書である。

   写真で御覧のとおり、この碗が製作された由緒を23文字で記入し、

   碗の発注者や慶賀の祝文を丁寧に記載している。


   極めて貴重な成化官窯碗である。


    (特記

      ※ この碗が下賜された理由がある。(上記写真をご覧ください。)

        
それは16弁に及ぶ蓮弁紋の中の蓮弁の一片の色の間違えである。

      ※ 文字の配列や大小に、成化年独特のくせがある。

        成化の器のほとんどにそのくせが見られるが、

        この23文字にもそのくせは顕著である。