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FROM- Treasures of Forgotten Kingdoms 青花団龍紋棱花折沿大盤 景徳鎮窯 参 考 品 YUAN DYNASTY 14 CENTURY 元 14世紀 口径 45.0cm 器高 8.0cm 高 台 内 パスパ(八思巴)文字四節 アラビア(亜剌比亜)文字
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※ 注意 中国製(現代作)の倣製が見られますので御注意下さい。 詳細をお知りになりたい方(鑑定)はお問い合わせ下さい (説明文) 大盤の口縁部分は比較的に薄作りでその胎土の質は純良である。 筆㔟は画家(画工)の優れた運筆で迷いがなく早い。 青料(呉須)の種類は団龍紋に鮮やかな青紫色を使用し、 また、従属文様には黒青色の青料(呉須)を使用している。 波濤を描いた細線には特に点鎖が多く発生している。 通常の輸出品とは大きく異なるイスラム教の神廟への献磁品であろう? サイン(銘文)は無釉の外高台底部に釉を敷いて釉下に青花で四節のパスパ文字(八思巴)を 記載し、また高台脇にはコーランを囲んだ長方形の釉上彩(硫酸鉄の朱色)の印形が 描かれている。 ※コーラン イスラム教の聖典 また大盤の口沿裏には呉須(青花)を 用いた「点書文」でアラビア(亜剌比亜)文字が記載されている。 以上のような銘文(印形・アラビア文字)が記載された中国の古代磁器の例は、 トルコのトプカピサライ宮殿博物館蔵のコレクションやイランの アルデビルシュラインコレクション(テヘランのバスタン博物館)の中に見られる。 あらためて主文様の団龍を観察すると、龍の頭や顔、口部に鋭敏さを感じる。 この大盤の打音は軽く、共鳴音が極めて長いという特徴がある。 龍泉窯にも仕様書に基ずいて製作された雲龍紋の青磁の大盤がある。 パスパ文字は青磁器にも記載されている。 ところで、団龍紋を描いた大盤の例は少ない。 それは、団龍紋は描きづらい事が理由であろう? この青花団龍紋大盤はみごとな雲龍の図であり稀少な一品であろう? ![]() 「青花団龍紋大盤」 の釉下彩及び釉上彩の焼成について。 釉下彩の部分 ① 盤表面 ○ 団龍紋 (主文様) ○ 宝相華唐草紋 (従属文様) ○ 波涛紋 (従属文様) ② 盤裏面 ○ 宝相華唐草紋 (従属文様) ○ 青花による八思巴 (従属文様) 釉上彩の部分 ① 盤裏面 ○ アラビア文字によるシャーアッバスへの献辞文(朱色の角印内に記す) ○ 盤の口沿裏の青料(呉須)によるアラビア文字の点書文。 ◌ 呉須は無釉の為に還元焼成ができず、黒色に発色している。 注 釉上彩、及び釉下彩への焼成は、二度に分けたと思われる? よって団龍紋の各部に、呉須による引釉が生じ、団龍全体に 細かなエンボス(凸凹)が発生している。 ![]() (参考資料A) ① パスパ文字を高台内に記載した例。 ◌ 青花龍涛紋碗 明 正徳官窯 幅 22.3cm 1987年景徳鎮珠山 正徳地層出土 ② チベット文字をデザインした官窯磁器の例。 ◌ 五彩蓮池水禽紋鉢 明初 宣徳官窯 薩迦寺(チベット)伝来。 ③ 雲龍図、至正様式の同手の例。 ◌ 青花龍文壺(罐) 元時代 14世紀 器高 30cm 出光美術館蔵 回青使用、雲龍図、波涛、唐草文様が同手である。 出光美術館の唐草は牡丹唐草でありこの大盤の唐草は宝相華文様である。 また出光美術館の壺(罐)には大盤のような三件のサイン(銘)はない。 ④ 梵字を高足盤(コンポート形)の全面に青花、釉裏紅で記載した建文官窯磁器の例。 (梵字文化圏への献磁) ◌ 青花、釉裏紅梵字紋高足盤 明早期 建文官窯、 大明建文年製銘(青花) アジアの梵字文化圏へ献磁。 口径 20.5cm 器高 9.3cm 梵字90文字が高足盤を覆う。 青花(染付)は黒青色。 高台内釉下に大明建文年製の楷書が明記されている。 靖難の変(1402年)ののち建文年間(1399~1402)はのちの永楽帝により 洪武年に編入されたために建文官窯の磁器の資料は稀少(中国に数点のみ) この高足盤はアジアにあったため破壊されずに伝世した。 景徳鎮に官窯が初めて設置された年代がわかる。 元末明初の青花の色と釉裏紅の滲んだ暗赤色が時代を表現している。 「海のシルクロード」の海路を渡海したものであろう? ※ 海のシルクロード蔵品 ⑤ 高台内部に釘でマークを三ヶ所刻んだ例 青花魚藻文盤 元時代 口径 46.1cm 出光美術館蔵 ![]() (参考資料B)
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